花壇で鎮魂の山を華やかに
   
 

 人やお金が循環して初めて、全体の復興になる

 現在まで、会費を徴収せずにクラブ運営をしていますが、今後のことになると、阿部会長の顔は曇ります。「会費を取ると辞めると言う人も出るかもしれません、私を含めて(笑)。震災前の状態を100とすると、戻ったのはいいところ60レベルです。30の人もいるでしょう。そういう中でやっぱり会費は取れない。でも次年度のことは相談しないといけない。正直、全国からの義援金でクラブを維持している状況です。でも、いつまでも義援金に頼るわけにはいかないだろうから、どうすればいいのか」。会員が集まること自体が大変なので、今後も例会は不定期開催が続くようです。
 これからの復興で最も必要なものは?「実感として、やはり現金です。物資支援はそれはそれで大変ありがたいのですが、物資だと、その地域で買い物をしないので、地域でお金が回らない。地域でお金が回ってほしいわけです。物資支援なら、現地で調達してもらえれば、結果として二重、三重に潤います」
  山田町には、新しいホテルもできつつあるそうです。「山田町に来ていただき、この『三五十』のような再開した食堂で食事するとか。やっぱり人やお金が動いて、循環して初めて、全体の復興になる。ロータリーで動いて、その間に誰かがはまっていって、そこに経済効果が出る。まさに、職業奉仕なんですよ」
  全国のロータリアンに今、こうしてはしいというものはありますか?「『これです』とはなかなか言えないですが、戻るようですがやはりお金。お金があれば必要なときに、必要なことができます」。
 会員身分維持のための継続的、かつ具体的な支援も必要とのこと。「例えば人頭分担金が今後も全額免除されれば、それだけクラブからの支出がなくなるので、実質的な支援になる。それに『もらう』もので活動すると、どこかで後ろめたさがないわけではないが、公的に『免除』してもらえば、どこかで後ろめたさも薄くなり、それも実質的な支援になります。正直、そういう思いがあります」

   
ロータリーの友 2012年7月号より