『やまだの作文』第40集は復興メモリアルに
「お父さんが帰ってきたのは、しんさいから二日後のお昼ごろでした。お父さんの手首とせ中には、けがをして血を流したあとがありました。お母さんは、お父さんを見てないていました」(豊間根小学校3年生)
山田町内の小中学生の文集『やまだの作文』は山田RCの長年の継続事業で、偶然、今年2月発刊の号が第40集となる記念号でした。クラブで協議の結果、「このようなときだからこそ、大震災後のメモリアルとして『やまだの作文』だけは必ず発刊しよう」と決めました。
「ただ、『この時期、子どもたちに作文を書かせていいものかどうか?』と。で、先生方に相談したら『いや、大丈夫でしょう』と。そのかわり、テーマや例は『家族』『学校生活』『将来の夢』などにして、震災のことは一切入れないようにしました。被災していない学校もありますからね。しかし、結果的に3分の1強の子どもたちが津波のことを善いてきたんです。予想通り、結果としてメモリアルになったんです」
この特別号を全国のロータリアンに読んでほしいと、1万部を刷り、全クラブに送ることにしました。予算は例年の10倍。印刷費、運送費、贈呈式など約300方円の資金は、地区、東京浅草RC、大阪金剛RC(第2640地区)、藤岡南RC(第2840地区)などの協力で集まりました。発刊後は全国紙に載り、マスコミにも取り上げられ、予想を超えた反響があったとのこと。
「今回、被災直後から多くの支援を受けて、あらためて『ロータリーの存在は偉大だなあ』と実感しましたよ。スピード感と、パワーがあったし。パワーというのはお金という意味でね。ロータリーつてどこかでいい加減だというのは無きにしもあらずだったけれども(笑)、今回ほどその存在を実感したことはないですね」
4月、仙台での地区大会には、15人中10人が参加。「やっぱり全国の皆さんからの支援があってクラブが存在しているわけだから。参加自体が恩返しの一つの具体的なかたちだから、出よう、と」。『やまだの作文』事業でクラブは「ガバナー特別賞」の表彰を受けました。