「ロータリー」ならびに「ロータリーの友」について感じたこと、建設的な意見、疑問・質問、問題提起など。また、本欄に掲載の意見・質問に対する、回答・意見など。

             
 
 ロータリーの「からくり」

函館東 
戸 嶋   浩
 
 

 私が思うに、ロータリーには、「入りて学び、出でて奉仕せよ」という独特の「からくり」があります。
 「入りて学び」とは例会に出席して親睦、そして友情と思いやりに支えられたクラブ奉仕を学ぶことです。
 ロータリーはいろいろな奉仕活動の機会を与えてくれるところですが、決して奉仕そのものを目的とする団体ではなく、奉仕の実践から学んだことを、会員の職業を通じて地域社会に奉仕する、という原理があります。すべての実践は職業奉仕に帰するわけで、「職業奉仕こそロータリーの金看板」と教えられています。
 「超我の奉仕」というロータリーの第一標語は、平たく言えば「奉仕第一・自己第二」と理解されます。これを身に付けるために、各業種から選ばれた会員が例会に出席し、奉仕の心を学び自己を研さんして、職業に役立て実践することがロータリーの「からくり」で、この理解が最も大切なことと思います。
 次に「出でて奉仕せよ」ですが、ロータリーでは人に仕える、または尽くすということです。
 「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」というロータリーの第二標語があります。しかし奉仕活動に王道はありません。相手によっては同じサービスでも喜ばれたり、不快にさせたりすることがあるからです。いろいろな奉仕活動に参加して失敗を重ね、多くのことを学ぶことが大切で、失敗を恐れる必要はありません。奉仕活動を通じて自分の引き出しを増やし、より良い活動を目指すしかないのですから。
 一方、奉仕活動がうまくいったときには、活動に参加した者だけが味わえる達成感があるものです。これこそ、奉仕活動の醍醐味ともいえます。この「からくり」を知ることが、ロータリーを知る近道の一つと考えています。(第2510地区 北海道 整形外科医)

ロータリーの友 2010年12月号より