合併は何のためにするのか。それはロータリーの理念と綱領の下、奉仕の実践を推進することも前提にしなければならない。ロータリークラブは個人レベルでの奉仕活動を支援する組織であり、組織として奉仕活動を行う他の奉仕団体とは異なる。
合併を是とする場合、その目的、組織の活性化、実績の向上、安定性とさらなる発展に責献し新しい価値が生み出せるかなどの検討が必要条件である。
合併により会員共通の関心やイデオロギー、すなわちクラブの風土(会員の意識)や、量的変化と質的変化が相殺の関係にならないこと。その適正会員数や、奉仕の原点である例会出席率の向上と親睦に責献するか、職業分類のバランスが向上するかなどの課題を議論せず、やみくもに生き残りを掲げる企業などの合併論と同じ次元の論理では、ロータリーの神髄である個人レベルの奉仕の実践を阻害することになる。
クラブの活性度と実績はこれら諸々の条件で変化し、相互に正比例する関係ではありません。単に経済的基盤の脆弱(ぜいじゃく)性に基づく合併論ならば、それを是とするに値しない。クラブが消滅すれば、奉仕の実践そのものが無に帰すことを否定するものではないが、ロータリーの理念を離れ、個人の奉仕活動を阻害するのであれば自殺行為に等しく、その合併論は全く意味をなさない。まずは、所属クラブに新しい価値を作っていく努力が先決である、と私は考える。(第2700地区 福岡県)