百聞は一見にしかず  〈豊中ロータリークラブ 第2660地区 大阪府〉  

 「Seeing is believing(百聞は一見にしかず)」ということわざがありますが、今回のタイ訪問はまさにこの言葉を地でいくような旅でした。当クラブは10年前からタイ国内のロータリークラブ(RC)と毎年マッチング・グラントを実施しています。これまでは、給水塔設置や浄水器、健康施設の充実など、地域の人々の健康に寄与する活動を主に行ってきました。
 今年度のマッチング・グラントは、識字率の向上と読書習慣を身に付けることを目的に、シンブリベラチョンRCと協同で、タイの幼稚園、小学校などへ図書を寄付しました。到着した日にバンコクの北約120キロメートルにあるシンブリ県の小学校で、贈呈式に臨みました。
 到着したのは11月3日で、洪水によるタイの被害が日本でも報じられている時でした。特にシンブリ県は被害が大きく、案の定、目的の小学校へは行くことがかなわず、シンブリベラチョンRCの例会場で、主人公である小学生のいない、少し寂しい贈呈式を行いました。

 

 式後、現地会員の案内で被災地を訪れました。平屋の家々は水没し、人々の移動もボートで行うという状況でした。
 私たちは会員からの寄付金を、米や薬などの救援物資の購入に充てましたが、子どもから大人まで、その 救援物資を礼儀正しく受け取る姿に接し、タイムリーな奉仕活動ができたことに感謝しました。
 遠く離れた日本にいて、このような被害を耳にしても「心の底から何かできないか」と考えることはありませんが、今回、実際に見ることによってすぐ行動を起こせたことは、この旅行の最大の収穫となりました。(村司辰朗・記) 

ロータリーの友 2011年2月号より 

被災地を慰問し、物資を手渡す会員